何年か前の話
知人が参加した声の役者のオーディション。全員のアテレコテストが終わると一人づつ自己紹介の時間がもらえることになった。みな一様にそれぞれの特徴や得意分野をあげるなか、参加していた一人がおもむろに○を見せながら己のことを語り始めた。
「私は○のせいで馬鹿にされ続けてきた、声の仕事で自分を卑下したみんなを巻き返してやりたい」
突然のできごとに参加者一同あっけにとられていたが、審査員は全員そいつのことを知っていたらしく
「まだ君はそんなことを言っているんだな、その因果から抜けられない限り君に仕事は来ないよ」
とあきれ顔で説教を続けオーディションは終了。その後その人のうわさを聞くことは無い。