怖い体験を書いてみる。
2年ほど前、北の地の友人宅で過ごしていた時の事。私は出たての筍取りに出かけ、不意の事故で目玉を怪我してしまった*1。大事には至らなかったが救急病院に運ばれ、片目眼帯での帰宅。その夜は大量の筍をおかずに豪華な食事で満腹になり、怪我もあるので早めの就寝となった。
その夜、夢を見た。
「冷たい海を泳いで逃げる私を、誰だかわからない相手が船で追い迫りボウガンで狙ってくる。必死で泳ぐがとうとうボウガンの矢は私の背中にヒットする。」「痛い、苦しい。」
と思った瞬間、金縛りにあい、目を開いて仰天した。
仰向けで寝ている私の胸に小柄さな女が正座している。女は青い顔で「ゲホッ、ゴフッ!」と水と髪の毛を嘔吐しながら涙と鼻水を垂れ流し、こちらを見ている。全身びしょ濡れで、髪の毛はかなり長いのだが所々しか生えておらず、毛の抜け始めたお岩の様な髪型で着用している黒いシャツとパンツがずぶ濡れだ。
「これは何だ!誰だ!」と全身が拒否反応を起こした途端、女は私の胸の上でゆっくりと透明になっていき、金縛りが解けた。
隣で寝ている奴をたたき起こし「てっ天知る地知るオレが知る!あの日あの時あの場所で!!」と震えながら訴えたが、ヤツは「沢山筍食ったからなー、もっといい物見ろ」*2「視界が青い、こりゃすごいなー」と楽しんでおり、私の恐怖は筍のせいであると断言された。
北の地は懐が大きい。

*1:小枝に刺しました

*2:その方いわく「山菜などの新鮮な初物はアクが強く毒性があるので脳を麻痺させるような作用があるらしい」との見解