幼馴染の結婚式に出る。
受付をたのまれたので早めに出かけた。

乗り換えの駅で待っていると、横に15歳くらいの少年が立った。
彼は小さい声で「ブツブツ」とつぶやいていたので
視線を向けると嬉しそうに目を合わせてきた。
ちょうどその時電車が到着し乗り込むと、
彼は前を進む中年男性にシャドウボクシングをしながら進み、
席にこしかけた私の前に立つとオリジナルソングらしいラップを小さい声で歌い始めた。
「ラブ〜(聞き取れない)ラブ〜」「リスペクト〜(聞き取れない)」
周囲は完全に無視をしている中、
途切れること無くラップらしきものを歌い続けるので聞き取ろうとするのだが、
あまり英語は得意ではないらしく良く聞こえない。
数駅が過ぎたところで「これで〜おしま〜い」と日本語で言い、彼は去って行った。

次の駅にて乗り換えのため下車し、前のホームで待っていると、
降りたはずの少年が私の前に顔をひょっこりと突き出し「ニコ」っと笑うと去って行った。